オークス馬シャダイアイバーに端を発するオレンジ一族の牝駒がラインアップに加わった。牝馬の活躍が顕著な血統だという事実も、本馬への期待をいやが上にも大きくしている。高い勝馬率を誇る父の産駒には、芝・ダートを問わないオールマイティなタイプが多いが、本馬は素軽い走りで芝への適性を感じさせる。3月中旬の時点で馬体重440kgある馬体は全体のバランスがとても良く、数字よりも大きく見せている。育成に携わるチェスナットファームの広瀬代表いわく「軽トラにアメ車のエンジンを載せたようなトルクがあります」。丸みを帯びた大きなトモから、目を見張らせるダッシュ力、瞬発力、そして推進力を発揮し、3月にトレセンへ入厩させた同世代馬と同じくらいの動きがすでにできている。順調ならば夏競馬で十分使えそうな仕上がりであり、早期デビューが見込めそうなのも魅力だ。肝が据わった男勝りの強い気性の持ち主でもあり、併せ馬では相手を負かそうとスピードが出すぎてしまうため、抑えたままにしているというのが現状だ。馬の行く気に任せる調教でどれほどの爆発的な反応を見せてくれるのか、本馬の豊かな資質に胸が躍る。