同期のエアグルーヴと共に近代競馬史を作り上げてきた名牝も昨秋に子育てを無事引退、遂に本馬がラストクロップとなります。世界の頂点まであと一歩にまで登り詰めた父を迎え、最後を飾るに相応しい配合です。平均よりやや小柄ながら兄姉を考えれば十分な馬格で、深みある胸や、身体を包み込んだ柔軟性のある筋肉など母の産駒の特徴が随所に再現されています。気品のある顔立ちに素直で落ち着きのある気性は生まれながらにして自分の使命を認識しているようにすらみえます。期待と重圧が常について回りますが、越える山が高いほど、視界の先には見たことのない絶景が広がっているのでしょう。