「繋ぎの角度は理想的だし、クッションもよく効いてます。この仔はむしろ、芝でこそ良さが生きると思いますよ」。サウスヴィグラスの資質に惚れ込み、その血で多くの活躍馬を輩出してきた実績に裏打ちされた説得力。その言葉にこもる熱量が、並々ならぬ期待のほどを物語ります。それもそのはず、ハクツ牧場の村田代表が馬産を志すきっかけとなったのが本馬の牝系への熱い思いであり、この配合はいわば自身のホースマンとしての歩みの集大成なのです。ダイナアクトレス系は激しい気性の持ち主ですが、その溢れんばかりの闘争心をレースでの爆発力へと転化させることで、数々の栄光を掴んできました。母もやはり一筋縄では行かない手強い気性の持ち主で、本馬も時折その片鱗を垣間見せていますが、この牝系のエッセンスの発露であると思えば、むしろ心強くさえ感じられてきます。叔父スクリーンヒーローがジャパンカップを制し、また種牡馬としてモーリスという稀代のスーパーホースを送ったことでこのファミリーの優秀性が再評価されている昨今。本馬もきっと、このビッグウェーブに乗ってくれるはずです。