青森産馬として12年ぶりのG1制覇となったキョウエイギアの快挙の余韻覚めやらぬなか、ワールドファームから今度は芝の大物が出現です。祖母のモテックは、配合種牡馬の個性をストレートに伝えるタイプの繁殖牝馬です。ハーツクライ産駒のレコンダイトは目覚めるまでに時間こそを要したものの、一旦成長期に入れば日進月歩の勢いで進化を遂げ、瞬く間にオープン入り。現在も長距離重賞戦線の常連として活躍を続けています。サンテミリオンは、数多いるサンデー系種牡馬の中でも屈指のパワータイプであるゼンノロブロイの娘らしく、雨中決戦となったオークスではのちの三冠牝馬アパパネを向こうに回しながらもがっぷり四つで渡り合い、歴史的なデッドヒートにまで持ち込みました。モーディッシュもその母に似て十人十色の産駒を送り出していますが、サンデー系との配合ではシングスピール経由でヘイローのクロスが発生するため、筋肉の柔軟性や繊細さが強調される強みを持っています。満を持してのゼンノロブロイ産駒である本馬もやはり、父の産駒らしからぬキレッキレの動きを見せており、叔母に続く大仕事の予感を抱かせます。