ひと目見てパワーあふれる馬体が印象的な本馬。雄大な馬格を支える大きくて、硬く正しい飛節と、発達したヨロ肉、引き締まった胸幅と相反するような腰幅にも注目してほしい。そして、緩やかで可動域が広い肩もしなやかなフットワークを可能にするものだ。無名の父オールステイだが、祖父ケープクロスはシーザスターズやゴールデンホーン、ウィジャボードらを送る世界的名種牡馬で、母フラワーレットはスピルバーグやトーセンラー、フラワーアリー（米2冠馬アイルハヴアナザーの父）の半姉という良血。本馬自身もキーンランド社セプテンバーセールの取引馬で、2歳夏の札幌競馬の新馬戦優勝馬。初年度産駒はわずか3頭だが2頭はJRAからのデビューを目指し、残る1頭も市場で取引されている。祖母ピアノレッスンは隠れた名繁殖牝馬で、ステイヤーズSで果敢に逃げたカノン含め、JRAで出走した7頭中5頭が勝ち上がり2着経験馬が1頭。超が付く大型馬以外は堅実な成績を残している。そんな血統背景と好馬体の本馬。高額馬たちを尻目に先頭ゴールインを果たすシーンを見ることができるなら痛快だ。