父コントレイルはディープインパクト産駒として唯一の牡馬3冠馬。後継種牡馬としての期待は非常に大きく、2023年のセレクトセールでは落札価格が1億円を超える初年度産駒が続出しました。本馬もその1頭で、同産駒の牝馬として2番目の高額となる税込み1億8700万円の値が付いたのは、それだけ多くのバイヤーから高い評価を受けたことにほかなりません。母譲りの骨量豊かな馬体に、父を思わせる筋肉の柔軟性と背腰のしなやかなライン。父を管理した矢作芳人調教師が見惚れたのも納得の好素材と言えます。放牧地では他馬を突き放すほどのスピードを見せており、勝ち気なところを見せながらも人に対しては従順です。競走馬として理想的な心身のバランスを備えた本馬なら、2026年の牝馬クラシック戦線を堂々と牽引してくれることでしょう。◆◇◆◇◆配合診断◆◇◆◇◆ディープインパクトは自身が欧州の重厚な母系出身だったこともあり、スピード豊かなアメリカ血統との相性の良さが目立ちました。シャフリヤール、グランアレグリア、ジャスティンパレス、我がクラブが誇るラヴズオンリーユーといったGI馬は、軒並み母が米国産馬でした。本馬の母は愛国産馬でその父は欧州の大種牡馬Galileo。米国産の母を持つ父コントレイルの血に、スタミナを注入してバランスを取っています。祖母Switchは米GI馬でスピードを備え、スタミナの補完にとどまらない点が総合力の高さを感じさせます。祖母の父の父Fappianoは、父の母の父Unbridled's Songの父の父でもあり、同馬のクロスがコントレイルのアイデンティティーを強調しました。父の長所を伸ばしながら短所を補った配合で、スケールの大きさが感じられます。