昨年の世界ランキングNo1のイクイノックスを送り、大種牡馬への道を歩み出したキタサンブラックが、牝馬のスター候補を送ってきました。ゆったりとした胴にスラリと伸びた四肢、窮屈さのない可動域の大きな歩様は父譲り。顔の中心を縦に伸びる大きな流星は、毛色こそ異なるもののイクイノックスを思い起こさせます。穏やかで聡明な顔つきから、レースでは騎手の意のままに力を発揮してくれるイメージが膨らみます。母はフライングヴィジョン2023の半姉でグランアレグリアの近親。母系の質も非常に高く、スケールの大きなサラブレッドに育ってくれることでしょう。イクイノックス、ソールオリエンスを送り出した父に残された課題はGI牝馬を誕生させること。本馬がその最初の1頭になっても驚きはありません。◆◇◆◇◆配合診断◆◇◆◇◆キタサンブラック産駒における牝馬の上級馬は、Northern Dancerの血が強い傾向が見られます。アルテミスSを制したラヴェルは母系にフレンチデピュティ、ダンシングブレーヴを持ち、桜花賞2着馬のコナコーストはフレンチデピュティ、Sadler’s Wellsに加え、母の父キングカメハメハからNureyev、ラストタイクーンを取り込んでいました。4勝を挙げて活躍中のアスコルティアーモは母の父がDanehill Dancer、母の母の父Sadler’s Wells、重賞で2着を2回記録しているヒップホップソウルはファルブラヴ、Nijinskyを抱えています。本馬は母ヴィヴィッドヴィジョンがNorthern Dancer系のDixieland Band、Marlinの血を持ち、Nijinskyの5×5も所有しています。キタサンブラック牝馬の成功例に合致する配合で、トップクラスでの活躍が期待できます。