父タートルボウルの本邦2世代目となる本馬。父が海外に残した産駒が2歳チャンピオンやクラシックウィナーになっているが、当初はあまり評価が高くなく、配合された繁殖の血統レベルはさほど高くなかった。サンデー系繁殖牝馬との相性の良さを確信して種牡馬導入され、今後は日本生まれ産駒の活躍が期待される。生産した村上欽哉氏も「スカッと鉈で割ったような飛節の形は走る馬のそれ。粘っこい歩様にも運動神経の良さが出ています。なかなかこれだけの歩きができる馬はいませんよ」と、本馬の出来の良さを強調する。近親ミュゼスルタンは2勝。これまでわずか5戦ながら新潟2歳S（G3）を勝ち、NHKマイルC（G1）3着、日本ダービー（G1）6着。これからもさらなる活躍が見込める。「活力のある母系で、この系統の初仔で牡馬ともなれば、かなりの確率で好走するはず。母のチーズマヨは大柄ではないものの首が強く、行くと決めたら突進するように進んでいく競馬向きの気性の持ち主。繁殖としてもかなり期待しています」と、村上氏の言葉に力がこもる。大物感たっぷりの本馬に、ぜひ夢を託してほしい。