バラエティーに富むバヌーシー所属馬の面々に、新たな個性派が加わりました。父ルーラーシップは豊富なスタミナとパワーがセールスポイント。母系は社台グループに脈々と受け継がれてきた名血で、ドバイのゴドルフィンマイルを圧勝したユートピアなど、力強い推進力を備えた馬が多く出ています。キングカメハメハ、スペシャルウィーク、エルコンドルパサーと、日本の歴代王者が並ぶ血統表は壮観の一語。引き締まった筋肉質の馬体をいっぱいに使って、ひたむきにゴールを目指してくれそうです。◆◇◆◇◆配合診断◆◇◆◇◆母ソムニアは函館2歳Ｓ3着。3代母ドリームビジョンの産駒に全日本2歳優駿のユートピアや重賞2勝アロハドリームがいます。本馬はKingmambo 3×4とノーザンテースト4×4を持つ意欲的な配合。ルーラーシップ産駒はスタミナとパワーに富みますがやや緩慢で勝ち味に遅いきらいがあるので、大胆なクロスでスピードや完成度を高めるのは有効手でしょう。ソムニアの仔はタイセイビジョンもノストラダムスも2歳夏の新馬戦で動いており、本馬も早期からの活躍が期待できます。ノーザンテーストのクロスを持つルーラーシップ産駒にはリリーノーブルやパイオニアバイオなどがおり、特に牝馬の活躍が目立ちます。また本馬のようにKingmamboとノーザンテーストのクロスを併せ持つルーラーシップ産駒はJRAに1頭出走例があり、そのヒドゥンパラメータはすでに1勝を挙げ現役で活躍中です。(血統評論家・望田潤)