全体的には父の影響力を強く感じますが、トニービンの個性も随所に見てとれるのは、クロスを内包させた配合の妙と言えます。長めの四肢が上体を支え、窮屈感のないゆとりある骨格にクッションの利いた各関節の動きが、スムーズな脚捌きを可能にしています。また、筋肉に柔らかみがあり、軽やかな走りをしていますが、荒れた放牧地でもバランスを崩さない体幹の強さも特筆すべきポイントです。前進気勢の強いエネルギッシュな気性は、この両親の間に生を受けた本馬にとって、必要不可欠な能力の一つでしょう。奥行きある成長力を秘めた血統背景からも、本格化した時の走りが楽しみな1頭です。