芝・ダートを問わず、中長距離で息長く─。そんな無限の可能性を秘めたルーラーシップ産駒がラインナップに加わった。曾祖母は黎明期のセレクトセールのエース繁殖牝馬だったフランクアーギュメント。一族は惜しくも重賞に手が届いていないが、アドマイヤロード、ヒカルカザブエ、ハッピーユニバンス、サトノアリシアの4頭がオープン馬となっている。母は5歳春に2勝目を挙げた直後、故障を発症して無念の引退となったが、無事なら上のクラスでも活躍できたはず。その分も産駒には頑張ってもらいたい。母の父チチカステナンゴは種牡馬としては期待ほどの成績を残せなかったが、母系に入って“隠し味”として機能している。該当馬は決して多くないが、ヒュミドールやソウルトレイン、ファストライフが重賞で好走。何より本馬と同じルーラーシップ産駒のルヴェルソーが4歳夏までに2勝を挙げて、4000万円以上の賞金を獲得しているのが心強い。本馬は将来的に500kgに届くであろう、しっかりした骨格の持ち主。さらに動きには柔軟性があるので、いかにも健康優良児だ。父の産駒らしい持久力を武器に、気づけばオープンへ─。そんな渋い活躍を期待したい。