おすすめポイント
各クラブの募集カタログに掲載されているおすすめポイントです。
ファンディーナの異父妹で、僅か4戦と限られたキャリアの中で類まれな競走能力を示したクードメイトルの初仔にして、2021年8月、9歳の若さで死亡したドゥラメンテが遺した95頭のラストクロップの1頭であるフェイマス3が順調な成長ぶりを見せている。昨年秋の離乳後は夜間放牧で管理されているが、後躯と肩周りが一段と大きくなった。1歳5月末の馬体重は445キロ。「当歳の頃から必ず良くなるという思っていた、その通りに成長してくれました。今では貫禄のようなものさえ感じます」と谷川牧場代表の谷川貴英さんが目を細める。残り僅かとなった父ドゥラメンテの産駒だが、現役産駒に目を向けると、早くも“史上最強牝馬”との声も出てきたリバティアイランドに2冠牝馬のスターズオンアース、さらにはJBCレディスクラシックに勝利したヴァレーデラルナなど、どちらかと言えば牝馬に活躍馬が多いことも心強い。母も、祖母も、曾祖母もGI(級)ウイナーという活躍牝馬ファミリーという血を、種牡馬としても伝えているのかもしれない。母クードメイトルは経験馬相手のデビュー戦で牡馬を一蹴。さらにデビュー3戦目の出石特別では、後の日経新春杯勝馬で、大阪杯2着のモズベッロを寄せ付けなかった。長いターファイトクラブの歴史の中でも、特に「無事だったら」と思わせる1頭だ。その馬格、競走成績から、これからは繁殖牝馬として牧場を支えていく期待を担っていることは言うまでもないが、その血統表には名種牡馬マキアヴェリアンと仏2歳牝馬チャンピオンのクドジェニの全兄妹クロス4×4が発生している。「広い放牧地を元気よく走り回っているフットワークには素晴らしいものを感じる。このまま無事に成長していって欲しいね」と谷川さんが期待の言葉で力強く話を結んだ。フェイマス3は、クードメイトルの初仔。母は、1歳時に疝痛による開腹手術を受け、また大型馬ゆえに仕上がりが遅れたが、そのデビュー戦で牡馬の経験馬を相手に楽勝。デビュー3戦目の出石特別では、後の日経新春杯勝馬で大阪杯2着のモズベッロを完封し、陣営に「勝った馬(クードメイトル)が強すぎた」と言わしめた。その後、故障のため1年以上の休養を経て復帰したものの1戦で故障が再発して無念の引退となったのは、会員の皆様もご存じの通りだ。競馬に『たら、れば』は禁物だが、それでも歯車が噛み合っていればという思いは、今でも禁じ得ない。だからこそ、曳かれて目の前に現れたフェイマス3を見た瞬間、どこかで、歯車が“ガチッ”と噛み合った音が聞こえた気がした。「いろいろなアクシデントがあったから仕方がないとは言うものの、クードメイトルは本当に残念だった。母の無念を晴らしてほしい。それだけの馬だと思っている」と谷川貴英代表が言葉に力を込めた。